第31章 クリスマスパーティー
ピンポーン
家の中にインターホンの音が鳴り響く。
巻島さんがインターホンのモニターをつけるとデカデカと田所さんのドアップが映し出される。
「おう、巻島。きたぞ」
「今行くショ」
巻島さんは玄関の門を開けに家の外に出た。
なんだかこんな広い巻島さんの家に1人でいるのは落ち着かない。
というかなんだか心細い。
巻島さんとは付き合いはじめてなんだかんだで2ヶ月ほど経っていたが、尽八との観光の時を除いてお互いの家へ行ったことはなかった。
「お邪魔しまーす…って先にきてたのか」
声のする方に顔を向けるとそこにいたのは純太と青八木くんだった。
『じゅ、純太ぁ…』
自分でもビックリするほど情けない声が出ていたと思う。
「茉璃、なんて声だしてんだよ」
純太は微笑みながら私の方をみる。
隣にいる青八木くんもこちらを温かな目で見ている。
『だ、だって…』
そこへ巻島さんと田所さん、金城さんが遅れてリビングに入ってきた。
「ん?茉璃?どうかしたか?」
巻島さんが心配そうにこちらに問いかけてくれるが、なんて答えたらいいのかわからない。
すると横から純太が声をあげた。
「茉璃のやつ、巻島さんのお家で少し緊張してるみたいです」
「き、緊張?何を緊張することがあるショ」
キョトンとした巻島さんの後ろで金城さんは少し溜息を吐きながら巻島さんの肩に手を置いた。
「巻島、富永を家に招いたことは?」
「ん?まだないショ」
「では、巻島は富永のお宅に伺ったことは?」
「一回だけ…あっ」
そこまでいうと巻島さんは何かに気が付いたようにハッとしてから手で口を覆った。
「茉璃、そ、その…」
その巻島さんの姿を見てなんだか緊張も和らいだ。