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ドラゴンボール/ラディッツ

第11章 一ヶ月の処分(リクエスト)


朝から騒々しい音が廊下に響く
航行不能にまで破壊された母船の復旧作業の音だった
毎日交代で日没まで作業をしているが、この惑星を離れるまではまだ相当の時間が掛かる
小型ポッドの発着は可能だが侵略の数は激減していた
母船が移動可能になるまであと1ヶ月
それまでは移動に時間の掛からない惑星にしか侵略に行く事が出来なかった

「……ふう」

溜息を吐き、読んでいたパネルを胸の上において天井を見つめる
1人で時間を過ごすのにも飽きてしまった
いつもならばラディッツの部屋に行くところだが、今はそれも出来ない
彼はあの日の翌日から母船を壊した事に対する処分を受けていた

「……」

空腹を覚えてスカウターに表示されている時刻を見る
昼を過ぎ、そろそろ食堂の人が少なくなる時間だった

「……行こうかな」

そう呟き、持っていたパネルを枕元において身体を起こす
ベッドを離れると鏡の前に立って身嗜みを整えた
おかしいところが無いのを確認するとドアを開けて廊下に出る
ひび割れた床や強化ガラスの割れた窓
それと配線がむき出しになった壁が目に飛び込んできた
長期間の航行に耐えられる強度がある船がここまで壊されるとは
そう思いながら廊下を進み、食堂に向かった
出撃が少ないせいか母船に居る戦闘員は多い
自分に声を掛ける人々を軽く受け流すと足早に廊下を進んだ
そのまま食堂の方へは入らず、手前のドアを開ける

「こんにちは」
「あっ、いらっしゃいませ。ミズナさん」
「ラディ、今日も来てますか?」
「はい。あの……」
「ん?」

料理人が奥の方を見てからこちらへと寄って来る

「ラディッツさんの料理、とても美味しいですね」

声を潜めてそう言う彼に思わず笑みが浮かんだ
ラディッツの料理が舌の肥えている彼らにまで受け入れられている
それが自分の事のように嬉しかった

「そう思いますか?」
「はい、昼食に食べさせてもらったんです。味付けとかは適当だと言ってたんですが……」
「そうですね。分量、量ったりしないし……あの、ラディは今忙しいですか?」
「昼が過ぎたので先に休んで貰ってます」

そう言うと、奥に入るように促される
彼に礼を言うと出入り口から離れて奥に向かった
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