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ドラゴンボール/ラディッツ

第9章 悪夢からの目覚め(R-18)


宇宙船がゆっくりと地表に着陸する
窓の外では侵略を終えたミズナがポッドの側に立っていた
その姿を見て開いたハッチから外へと出る
自分に気が付くと、彼女は安心した様な笑顔を見せた
その様子に違和感を感じて側へと近づく

「ミズナ、どうした?」
「え……?」
「どこか怪我でもしたのか?」
「ううん。何で?」
「いや……ちょっと気になって……」
「……」

ミズナが何かを言いかけて口を閉じた
その視線は自分の背後を見ている
何だろうとそちらを見ると、フリーザが出て来るのが見えた
こちらへと近付いてくるのを見て道を開ける

「ご苦労様です、ミズナさん」

その言葉にミズナは笑みを浮かべて頭を下げた

「あなたの手法は丁寧で助かりますよ。この星もあまり傷付けてはいませんね」

そう言い、機嫌良く周囲を見回る
ミズナの方に視線を戻すと笑みを見せて声を掛けた

「疲れたでしょう。ゆっくり休んで下さい」
「はい……ありがとうございます」
「それにしても良い星ですねぇ。ラディッツさん、ちょっと見て回りましょうか」
「……はっ」

ミズナの事が気になるがフリーザの言葉には逆らえない
仕方なく空へと飛び、地上の彼女の方を見た
するとこちらを見上げるミズナと視線がぶつかる
小さく手を振るのを見てこちらも振り返した

「行きますよ、ラディッツさん」
「はっ」

フリーザが先に北の方角へと向かう
ラディッツは風を切る音を聞きながら彼の後を追った


「はあ……」

昼から晩までフリーザと2人きりと言うのは精神的にかなり疲れる
ラディッツは凝った肩を回しながら廊下を歩いていた
シャワーを浴び、まだ濡れてる髪を乱暴にかき上げる
1つの部屋の前で止まると、パネルを押して声が掛かるのを待った

「……」

20秒ほど待ったが何の言葉も聞こえない
寝ているのだろうか
そう思い、開錠キーを入力してドアを開けた
窓から入る天体の明かりが室内を照らしている
その窓の下に置いてあるベッドにミズナが横になっていた
足音を立てない様にして側へと近づく
ベッドに手をついて背を向けている彼女の顔を見た

「っ……」

明かりに照らされたミズナの寝顔
とても綺麗だが、閉じられた瞳からは涙が零れていた

「ミズナ?どうしたんだ?」
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