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ドラゴンボール/ラディッツ

第7章 千年に一人


長く宇宙を航行するフリーザの宇宙船
その中で最も広いのは緑の木々が植えられた休憩室だった
ベンチや噴水も設備されていて、ここでのんびりと過ごす者も多い
出入り口から向かって左側の木の根元
ラディッツはいつもそこで寝転んで過ごしていた
行き来する人たちがすぐに見える場所
何気なく出入り口の方に視線を向けると、ミズナが入って来るのが見えた
今日もエリート戦士に周囲を囲まれている
男が多いこの船で、容姿の整ったミズナは人気があった

「……はあ、またかよ」

エリートに囲まれていては流石に近寄り辛い
ラディッツは体を起こしてその姿を目で追った
綺麗な髪が歩くごとに揺れて光を反射している
目を細めてそれを見ていると、突然頭上で声が聞こえた

「綺麗な脚だな~とか考えてんのか?」
「っ……な、ナッパ?」

声の主の名を呼びながら背後を見る
すると、そこには身を屈めたナッパとその隣に立つベジータがいた

「何をして……」
「通り掛かっただけだ」

何故こんな道から外れた場所を通りかかるのだろう
2人を疑いの目で見ていると、近付いて来る軽い足音が聞こえた

「ラディ、ここに居たんだ」
「……ああ、ミズナ……どうかしたのか?」
「探してたの。何か知らないけど、着いてくる人がいて困っちゃった」
「それは……お前、鈍いな」
「え?」
「いや、別に」
「そ?ベジータさん、ナッパさん。ラディを借りて良いですか?」
「ああ」
「ありがとうございます」

ミズナが2人に礼を言い、自分の手を引っ張る
それに従って立ち上がるとそのまま広場を出る様にして歩き出した
視界の隅に、先程ミズナと一緒に歩いていた男達の顔が見える
自分に何か言いたそうな表情に見えた
ミズナと親しい自分が気に入らないのだろう

(エリート集団に睨まれるのはキツいな……)

そんな事を考えている内に広場から廊下へと出た
引き起こされた時の手はまだ繋がれている
ラディッツは白い手袋に包まれたミズナの手を見たまま口を開いた
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