第3章 ストレート
「……」
ラディッツに対する気持ちは彼が言った通り
好きだという感情を持っているが、胸に手が触れたのを見て何も考えられずに気付いたら殴っていた
あの時のあの時の戦闘力はどれくらいだったのだろう
「……腫れたらどうしよ……謝らなきゃ。でも、今は合わせる顔がないし……後にしよう」
ミズナはそう呟くと枕に顔を押し付けた
「……」
殴られた跡がズキズキと痛み、熱を感じる
ラディッツは冷却シートの上から頬に触れて天井を見つめていた
「……やっぱ、怒るよな」
謝ればミズナは許してくれるだろうか
許す気がなかったらわざわざ冷却シートを持って戻ってきたりはしないだろうか
色々と考えながら身体を起こす
「……確か、キス以上はまだ駄目だって言ったよな」
ならばキス程度ならば良いということだろう
「マジかよ……それに、ちゃんと答えなかったけど……俺のこと好きだって……」
そう呟き、思わず笑みを浮かべると頬に痛みが走った
痛みに顔を歪め、片手を頬に触れる
エリートの彼女ならば、自分ではなくベジータと付き合った方が良いだろう
だが、ミズナは自分を選んでくれた
自分が彼よりも優れた物があっただろうか
戦闘力や地位ではべジータには遠く及ばない
色々と考えていると1つだけ勝てるものがあった
「あ、身長か!背が高い方が良いのか?……いや、違うよな……それだけじゃないよな」
どれだけ考えても答えが分かるはずがない
次に顔を合わせたときに何気なく聞いてみようか
ラディッツはそう思い、僅かに笑みを浮かべた