• テキストサイズ

ドラゴンボール/ラディッツ

第17章 クウラ軍・前編


そこまで口にしてふと視線を上げる
すると扉の影に引っ込む見慣れた物が見えた
何故ここに居るのかと思うのと同時にほんの少しの怒りと、とてつもない恥ずかしさを感じる
ラディッツは腕を解くとミズナをその場に置いて足早に戸口に近付いた
右を見ればべジータとナッパがいる
そして左を見れば何故かフリーザの姿まであった

「ベジ……フリーザ様、何か?」

べジータに声を掛けようとして、それよりも主が先だとフリーザの方に体を向ける
彼はいつもの乗り物には乗らず自分の足で廊下に立っていた
いつからそこに居たのかと思っていると、フリーザが自分に近付く

「明日の事で、少しお話が。取り込み中だったので待ってたんですよ」
「!……そ、それはどうも……話とは何ですか?」
「サウザーさん相手に手加減は要りません。思い切りおやりなさい」
「はっ……え?」
「兄に遠慮する事はありませんよ。アナタならば勝てますからね」

そう言うとフリーザは自分の横をすり抜けて歩いて行く
クウラの船へと戻るのだろうと思いつつ、彼に頭を下げるべジータとナッパに視線を移した

「それで、お前らは何なんだ」
「ミズナに抜け出さないかと誘われたから来ただけだ」
「俺はお前が怪我したから気になってよ」
「……見てたのか?」
「何をだ?」

べジータがわざとらしく首を傾げるのを見て初めから見られていたのだろうと確信する
最後まで言わなくて良かった
心底そう思いながら首を左右に振る

「い、いや、何でもない……」
「ふん……騒ぎのお陰でくだらん場所から出られた。俺はもう寝るぞ」

そう言い、べジータが居住区へと向かって歩き出した
ナッパもそれに続こうと一歩足を踏み出したところで何か思いついたように動きを止める
何だと彼に視線を向けると妙に良い笑顔を見てしまった
満面の笑みを見て、失礼ながら気味が悪いとさえ感じる

「な、何だよ」
「今日はさっさと寝ろよ。腰が痛くて戦えねえ、なんて事になったらミズナが連れて行かれちまうぞ!」
「!?……ば、馬鹿が!んな事するかよ!」
/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp