第16章 二人の関係
「おや~?赤くなってるねえ」
「覗くな、恥ずかしい」
顔を背けようとするラディッツの腕にぶら下がるようにして顔を見た
すると空いているほうの手で顔面をベシッと叩かれる
「ぶっ……い、いたい~、何するの」
「お前が悪い」
どこが悪いのかと言い合いをしていると、べジータが飽きれたように溜息をついた
「じゃれ合うな。さっさと行くぞ」
そう言うと遅れて部屋を出たナッパと共に発着室のほうへ行ってしまう
ミズナはラディッツと顔を見合わせるとその後を追った
彼らに追いつくと背後からべジータに声を掛ける
「べジータさん。あのこと、話しておきましたよ」
「あのこと?……ああ、そうか」
「ラディ、私とべジータさんが仲良いからって焼きもち焼いてたみたいです」
「焼きもち?」
「べジータさんが、私と……っ!」
視界が暗くなり、さっき聞いたばかりのベシッという音と共に言葉が途切れた
顔に張り付くのがラディッツの手だと分かると剥がそうと両手で触れる
「ちょ、ちょっと!何するの~」
「黙ってろ。あの話はしなくて良い」
そう言いながら手を離すと、ミズナが鼻を摩って自分を見上げた
不貞腐れたような顔をしていたが、すぐに笑みを浮かべてこちらの腕に抱きついてくる
「ラディがこう言うので、黙っておきますね」
そう言うと、べジータは口を開きかけたが何も言わずに溜息をついた
ラディッツが何を言ったのかは大体想像がつく
ミズナは美人で性格も良いが、幼い頃から顔をあわせているせいか姉という感じがした
側に居て気付かないのもどうかと思う反面、疑われても仕方がないだろうとも思える
再び歩き出すと隣を歩くナッパに声を掛けられた