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ドラゴンボール/ラディッツ

第13章 王子の子守り・前編


久々の休暇を与えられ、部屋でのんびりと過ごす
狭いポッドの中とは違い手足を伸ばして眠れるベッドがとてもありがたく感じた

「だが……寝てるだけってのもつまらんな……」

色々考えてミズナの部屋に行こうかと思い、上体を起こす
ベッドから足を下ろしたところでドアのブザーが鳴らされた
スカウターに手を伸ばしてスイッチを押すとピッと音を立ててドアが開く
廊下に立っていた人物が自分を見て笑みを浮かべた

「ラディ、寝てた?」
「いや、どうした?」
「ベジータさんの様子を見に行こうと思って。一緒に行かない?」
「まだ熱下がってなかったのか」
「そうみたい」
「お前のところに行こうとしてたところだし……行くか」
「うん」

ベッドから立ち上がり、髪を軽く払ってミズナに歩み寄る
廊下に出ると彼女と並んで医務室の方に歩き出した
すれ違う戦闘員と軽く挨拶を交わして廊下を進む
戦闘員の姿が多い廊下を通り抜けると医療室の前で足を止めた

「ベジータさん、入りますよー」

ミズナがそう声をかけてドアを開ける
室内に入ると窓際に置かれているベッドに静かに近付いた
するとベジータが薄く目を開けてこちらを見る
熱が高いのか頬がうっすらと赤くなっていた
いつも口元に不敵な笑みを浮かべているベジータ
今はそんな余裕も無いのか、苦しげに呼吸を繰り返すだけだった
こんなに弱々しいベジータの姿は初めて見る
そう思っていると、ミズナが側に置かれた洗面器に手を伸ばした
縁に掛けられていたタオルを濡らすと水を絞ってベジータの顔を拭く

「熱、昨日よりも上がってるみたいですね」

心配そうにそう呟くとベジータの額に触れた
張られているシートを剥がすと棚から新しいシートを出してセロハンを剥がす
それをベジータの額に張ると、彼は気持ち良さそうに目を伏せた

「お昼にご飯持って来ますからね」

ミズナの言葉にベジータが力なく首を振る

「ベジータ。食べたくないだろうが、食わないと体力が落ちるぞ」

そう言うとベジータが再び目を開けてこちらを見た
渋々というように頷く彼を見て笑みを浮かべる

「食べやすいものを選んできますからね」
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