第3章 五月 部活動結成集会にて
私の親は部活に入れ、といった。青春をさせるためじゃなく、ただ「その方が少しでも高校入試のときに受かりやすくなるから」ということからだった。
はっきりいって部活なんて面倒だしやりたくない。でもやれ、といわれたから仕方がない。
そこで私は土日に部活がなく、活動日数も少ない。そして何より運動を一切しない美術部に入ることにした。何よりりいちゃんがいるし。友達がいるなら何とかなるし。
部活動結成集会、というもの。それは、部活動に入る全学年の生徒たちが集まり、部活動の決まりや顧問を聞くというなんか大変つまらないものである。そのあとに各部活の活動場所に行かなきゃならない。
「そんならテレビ放送でやっちゃえばいいじゃん。最初から活動場所にいてさ」
そう思ったのは言うまでもない。
集会当日。面倒だったので軽く聞き流しながら、終わりを待った。
そして、移動時間。美術部の活動場所、美術室に行く途中。
「あの、美術室ってどこですか?」
とある女子…いや如月に話しかけられた。これが如月との初めての会話。多分、ここから仲良くなった。
如月に場所を教えつつ、私も美術室へ急いだ。