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日常―私たちの普通じゃない少しおかしな思い出話―

第11章 三月 別れ。


 翌日。卒業式。普通なら泣くだろうけど(実際我らが嫌われ者は泣いていた。いや、号泣していた)私たちは泣かなかった。多分、実感の欠片もなかったからだろう。練習通り歌って、練習通り礼をしていただけだった。
 あ、でもPTA会長の話、ってあるじゃん?そこで「アップル社の会長が…」っていう本当にどうでもいい話を校長の五倍も話されたのは本当にキツかった。


 卒業式で思ったのは、そのことと、我らが嫌われ者が泣いているのをほぼ真後ろで聞いていて「ほんとに黙れないのかな~あと式中に鼻水かむな」ということだけだった。
 帰り道。空はどんよりとした雲が広がっていた。私たちはりいちゃんの家(マンション)の前で雑談をしていた。「固まっていないで早く帰れ」と担任のクソゴリr((失敬 …まあ担任に言われたんだけど。私たちがエネ○リの言うこと聞くかっての。
 まあ、いろいろと話していたけどやっぱりいつものように馬鹿話してはいなかった。マンションの前の花壇的なところにのぼり、「誰が最後まで落とされずに生き残れるか」みたいな馬鹿な事(これいったら殺られるな)はしていたけど。

 その最中私はこっそり思った。「先輩たち、卒業おめでとう」と。
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