第34章 お仕置きっス
「あ、ありがとう」
あまりの早さに驚いた紫苑を、喜助は満足そうに見ていた
「あ、射的があるんだね!」
入るときは目に止まらなかったが、外に面したところに射的のセットが置かれていた
「夏祭りで真子に取ってもらったよね」
「せやなァ。また何か取ったろか?」
「きゃらめる!きゃらめるがいい!」
「任せとき」
スポーンとコルクがキャラメルの箱に命中する
「スゴーい!ありがとう!」
それをさっそく長椅子に座って口に含む
「紫苑も何か欲しい?」
「え、いいの?じゃあ、琴乃と同じきゃらめるにしようかな」
「了解っス」
コルク銃を構える喜助さんの真剣な横顔が、凄く綺麗で格好良くて……喜助さんがきゃらめるを倒したことにも気づかないくらいに、見とれていた
「はい、紫苑」
「あ、ありがとう…」
紫苑が俯いて顔を赤らめていると
「お兄ちゃんボクらにもとってー!」
「私もー!」
射的を遠くから見ていたこどもたちが、わーっと喜助の元へ群がってくる
「お安い御用っスよ~」
その姿を見て、紫苑は長椅子に座る平子と琴乃の元へ向かった
「琴乃、口開けてみ」
「ん」
平子隊長が琴乃の口にきゃらめるを入れていた
「ごちそうさまデス」
「紫苑!いつから居たの!?」
「なんだかんだラブラブそうで安心した」
「ラ、ラブラブじゃない!」
「そない照れなくてもエェやん」
紫苑は自分できゃらめるの包みを開けて口にいれる
ふと、子供たちの声が小さくなっていることに気づく
その代わりに若い女性の黄色い声が耳に入る
「きゃー、私にも取ってくださーい」
「お兄さんお名前なんて言うんですかぁ?」
「この辺の方ですか?格好いいですね!」
喜助さんは満更でもなさそうに、デレッとしながら女の子たちの希望の品を次々と撃ち落としていく