第2章 おそ松たちの奔走
「もう少し範囲を広げないと、駄目だな」
赤塚区以外にも出向いて、○○を、○○一緒にいるカラ松を探す。が、なかなか手掛かりが掴めないでいた。
「もう駄目だ!もう歩けない!」
「足が痛いよー」
「喉乾いたー」
「カラ松ー!どこにいるんだよ!出て来いよ、謝るからさ!」
「クソ松…、カラ松兄さん!」
道路で寝転がるおそ松たち。
「手掛かりがこの写真と、名前だけじゃなぁ…」
その時風が吹いて、おそ松が持っていた写真が飛んだ。
「ああっ!写真が…!」
ちょうどそこへ通りかかった男性が、拾ってくれた。
「す、すみません。ありがとうございます!」
「君たち、この人を探してるのか」
「知ってるんですか?!」
「知ってるも何も、妻がこの人にずいぶんお世話になったからね。本当に親身になって、看護してくれたそうだから」
「この人の家を、探してるんです!」
すると男性は、家までの地図を書いてくれた。
「彼女、前に偶然立ち寄った喫茶店でオーナーやっててね。多分ここだったと思うよ。引っ越ししてたら、わからないけどね」
「いえ、ありがとうございました!」
さっきまでの疲れはどこへやら、おそ松たちは顔を輝かせて、地図の通りに進んだ。
果たして、その場所に喫茶店は存在した。
「喫茶店だ!」
「ここにいるんだよね?」
「とにかく、会ってみよう」
カランカラン
ドアのベルが鳴り、厨房から女性が出てきた。
「いらっしゃいま……」
それは紛れもなく、○○だった。○○はカラ松と同じ顔のおそ松たちを見て、察したようだ。
「あの!!」
「帰って下さい」
「……は?!ひどくね?!俺たち必死になってカラ松を探しに来たのにさ!」
「探しに…?その必死さを、なぜもっと早くに、出さなかったんですか?!」
「う………。ただのいたずらだと思ったから…」
「救急車を呼んだ時も、来ませんでしたよね?」
「まさか意識不明だなんて、思わなかったし…」
「とにかく、帰って下さい!」
一松が○○の前に出ると、土下座した。
「お願いします!カラ松を、返して下さい!俺たち、猛反省したんです!あいつに…兄さんに謝りたい!」
他の兄弟たちも、土下座する。
「「お願いします!」」
「ちょ、やめて下さい!」