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栗名月と恋心【アルスラーン戦記】
第2章 追憶
「そのようなことを仰らないでくださいませ。でないと私が殿下より優れているなどと捉えられては殿下の立つ瀬がありませぬ。」
「そうではないのか?まぁ、自分がそうと思うならばそうなのだろうが…」
あぁ、やはりお優しい方だ。
そんなお方だから私も、私の主人も着いて行くんだろう。
無論、離れたくはない。
そんな静かなフォローが耳と心に染みるのを感じた時間は容赦無く過ぎ去る。
もう二度とこんな会話はできなくなるのではないか。そう思ってしまう自分が嫌いだった。
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