第2章 見知らぬ世界と出会い
そんなことを考えている間に、少女の虚ろな瞳が俺を映した。
「君はだれ?」
それが少女の第一声だった。
少女は自身のことをほとんど語らなかった。というよりも、答えあぐねているといった方が正しいか。
なぜ砂漠で倒れていたのかわからないと言っていたから記憶喪失なのかとも思ったが、少女は以前髪が黒かったと言った。
記憶喪失というわけではないのかもしれない。
少女が名前を聞いてきたから名乗った。
少女は俺の名前を聞くと、もう限界だったのか、また気を失ってしまった。
このまま死なれてしまっては面白くない。
だから、近くの治安のそれなりに良さそうな町に連れて行った。どうせ帰る場所もないだろうから小さな家を買ってやった。
魔力の量が結構多そうだったから、迷宮に連れて行くのも面白いかもしれない。
俺が普段どんなに自由奔放そうに振る舞っていたって、実際俺の行動はアル・サーメンに制限されている。
だけど、今日の行動は親父どもも知らない。
これは俺だけの秘密。俺だけの楽しみだ。
これからどのように遊ぼうか、久しぶりにわくわくしながら少女が目を覚ますのを待った。