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【マギ】真昼の月

第6章 皇子と皇女


「でも、どうして私に?」
「紅炎お兄様から聞いたの」

紅玉はそう言った。

「ジュダルちゃんが同年代の子を連れてきたから話しかけてみたらどうだって。私、第八皇女だけど、妾腹の出なの。だからお友達がいなくて……。お兄様はそれを知っているから、気を遣ってくれているの」

紅玉が紅炎のことを家族として本当に好きなのだとわかった。紅炎も同様に紅玉を家族として大切にしているのだろう。

「それで、ですか……?」
「うん。あと、無理に敬語を使わなくていいのよぉ。それにどうせならお姫さまと言わずに名前で呼んでほしいわぁ」
「で、でも、立場的に……」
「それは大丈夫よぉ」

紅玉は悪戯っぽく笑った。

「あなたはただの雑用係だと思っているだろうけれど、お兄様の計らいで、実際は食客扱いなの」
「雑用係じゃないんですか!?」
「それはジュダルちゃんが言ってるだけよぉ。ジュダルちゃんが紅炎お兄様に頼み事をするなんて、いつもだったら考えられないわぁ。だからお兄様も気を利かせてくれたの」
「そうだったんですか……」

どうりで雑用係にしては扱いがよかったわけだ。こんな裏事情があったとは。

「名前」
「え?」
「さっきも言ったでしょう?名前で呼んでちょうだい」

ずいっと顔を近づけられ焦る。

「え、えと……紅玉さん?」

恐る恐る名前を口にしてみた。『さん』じゃなくて『姫』の方がよかったかなと不安になった。

「うーん……いずれは『さん』付けもやめてほしいところだけど、今はこれで良しとするわぁ」

とりあえず満足げな顔で紅玉が言ったので、安心した。

「これからよろしくね、月ちゃん」
「こちらこそよろしくお願いします、紅玉さん」

そしてふたりで顔を見合わせて笑った。
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