第5章 煌帝国へ
「で、何で男のカッコしてんだよ」
私は髪の結い方を変え、男物の服を着ていた。
もともとあまり大きくないが、胸にサラシを巻いておくという凝りぶりである。
「城とかそうゆうとこじゃ、男の方が何かと便利っていうのがセオリーでしょ」
「ハア!?」
ジュダルはいちいち表現がオーバーだ。でもそれも次の瞬間「ま、いっか」と、コロッと態度が変わる。
感情の起伏が大きいというか、不安定なように感じる。
「それじゃ名前もこのままだといけないから……『月』とでも名乗ることにするわ」
「ふうん『月』ねぇ……いいんじゃねーの」
「間違ってルシアって呼ぶなよ」
「わかってるっつーの」
今から、私は『月』だ。
生きていくために何だってする。生きていくために力を手に入れる。
それがこの世界での生き方だ。
やるからには徹底的にやる。神官だろうが、皇子だろうが、皇女だろうが、皇后だろうが(この辺になると流石に遠慮したい)、皇帝だろうが、騙しきってやろうではないか。
決意を手に、私は目の前にそびえ立つ城を見上げた。