第4章 修行と迷宮
今日は質のいい食料を手に入れることができたので家へ帰る足取りは軽い。
しかし、よく知る気配を感じて足を止めた。一呼吸で警戒態勢に入る。
ミッション:食料を守り、襲撃者(仮)を鎮静化せよ。
どうやら家の中にいるようだが、どうせ襲撃者(仮)はこちらに気づいている。
迷うことに意味はない。
扉を開けた瞬間に飛んできた氷柱を、腰に佩いていた短剣で払う。その際、食料を入れた袋は片手に持ち替えている。
払った氷柱は勢いを消せず床に突き刺さる。
「プルソン」
金でできた髪留めに宿る氷雪のジンの力を発動させた。途端に部屋の温度が急激に下がる。再び飛んできた氷柱を、今度は払わず受け止めた。流石にこれ以上床にひびが入るのは勘弁したい。
袋の中から林檎を取り出して放る。パシッと小気味良い音でそれを受け取り、ジュダルは林檎を思い切りかじった。
「やっぱ俺、桃のが好きだな」
「文句言うな。ここらじゃ桃なんてないし、あったとしてもめちゃくちゃ高いんだからな。質もどうだか」
「あ、もう一つくれ」
「……」
黙ってもう一つ林檎を放った。天上天下唯我独尊何様俺様ジュダル様は何を言っても聞かないのだ。