第16章 「春の野花 - タンポポ、イヌガラシ、スカシタゴボウ」

『え、でもきっと時間かかるし』




「今日は花を楽しめ。
さやかが遊んでたら
俺もじっくり撮れるしな」






そこまで押されると、




......子供の頃からの憧れが疼き出す。






『じゃあ......やってみようかな』




「分からねえことがあれば
声をかけろ、俺がやってやる」






そしてリヴァイは被写体を探して
辺りを中腰で歩き始めた。






しばらく編むとコツが分かってきた。




先程ちょっとした争議の
元になったオオイヌノフグリも




青い小花がかわいいので
編み目の中に通して織り込む。







『あ、ここに黄色入れたいな』







とタンポポを入れたり。




中空で折れやすい茎なので
シロツメクサで補強。




編む花を探しているうちに、
青い花が少ないことに気づいた。




オオイヌノフグリの他には
スミレぐらいだ。




何となくスミレは摘むのが
かわいそうな気がして
最初のうちは遠慮していたが、




散策しているうちに
けっこう多いいことが
判明して所々に拝借する。




圧倒的に多いのは黄色だ。




まずタンポポ。




コメツブツメクサ。




まだ名前を覚えていない小花。