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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第16章 「春の野花 - タンポポ、イヌガラシ、スカシタゴボウ」





『でっ、でもこの花のどこが犬のっ......』






さすがに口に出せず
ごにょごにょ誤魔化し、






『......ぅ、に似てるって言うのよ!』






意味を知らずに
口に出してしまった
恥ずかしさもあってつい嚙みついてしまう。




リヴァイも困ったような
気まずいような表情で、
しかし律儀に答える。






「似てるのは花じゃなくて実だ。
毛が密に生えてる、だから犬の
陰嚢に似てるからってことらしいが」




『何度も言わなくていい、その単語っ!』




「代名詞だと却っていやらしいだろうが」




『ていうか、こんなちっちゃい草の
つける実にそんな相似見出すなんて、
そっちのほうがやらしくない?!


名前つけた人ってなに考えてたのよ!


欲求不満じゃないの?!』




「よく喋るな豚野郎」




『ぶっ、豚ってなによ!!
リヴァイのバカ!』






リヴァイのシワが
寄っている眉間には




今はシワがなかった、
優しい表情だった。






リヴァイは宥めるように
さやかの頭をぽんと叩いた。






「言ったのが俺の前で良かったな、
男は下ネタ好きな奴多いいからな。


さやかみたいな奴が口に出したら
喜ぶ馬鹿どもはクソみてえにいるぞ。」






私が言うと喜ぶ奴ということは




リヴァイは私のこと女の子として
見てもらえてるからだろうか。




今度は別の意味で
頬が火照って黙り込んだ。






『でも何かわくわくするね、
花がいっぱい咲いてると』






気まずさがようやく晴れた頃、
さやかは口を開いた。






『私、子供のころ
シロツメクサとかレンゲで
花かんむり編むの夢だったんだー』






ふとリヴァイの
シャッターの音が止まった。


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