第20章 5月16日 土曜日 葉月家
ジュースとケーキを持ってきて座る葉月夫妻。
「こうしてると、弟の面倒みるお姉ちゃんね。」
「確かに。」
「私も葵くんが弟だったら、嬉しいよ♪」
「あ~~♪だう、うっ♪」
僕も美奈子ちゃんがお姉ちゃんだと嬉しいな
言っているような葵
…
…………
昔話に花を咲かせ、学校生活や友人のことを話していた。
すると思い出したように、波美が奥の部屋から紙袋を持ってきた。
「はいっ!遅くなっちゃったけど、
私と珪からお礼ね♪」
「ありがとう!なんだろ?」
ラッピングされた箱を開けると
浴衣、帯、下駄、藤の籠バッグ、巾着、髪飾り、帯飾りなど
「可愛い~~♡」
「白とピンク昔から好きだったろ?」
「うん!」
浴衣は白地に、淡いピンクと紫の八重桜柄
帯もピンクのもの。
「今年の花火大会これでばっちりね♡」
「まだ、8月だから先だよ?」
「こういうのはギリギリより、
早めの方が良いだろ?」
「そうそう♪それに珪が
美奈子ちゃんのイメージを伝えて作ってもらったのよねー(๑•ω-๑)♡」
よしっ!さっそく着付けてみようとウキウキしてる
波美に手を引かれリビング出ていく美奈子たち。残された珪たちは
「葵、
お前のママも困ったもんだな。」
「う?」
なんだかんだで楽しそうな笑みを浮かべていた。
しばらくすると、お待たせと波美に手を引かれながら入ってくる美奈子
「へぇー。いいな…お前に似合う。」
「浴衣負けしてない?(ó﹏ò。)↷↷ぅʓぅʓ」
「ばっちり似合ってるよ!大丈夫♪自信持って!!」
素がいいもので、軽くメイクされた美奈子
自分が高校生だったら間違いなく惚れているだろうと珪は思った。