【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第19章 過去
『ありがとう…レイリーさん。お父さんの言葉を伝えてくれて…お父さんのもとで海賊をして支えてくれて本当にありがとうございました。お話しできて本当によかった。』
「そりゃよかった。私もこんなお嬢さんがあんな奴から生まれてるとは思わなかったよ。懲りずにまた話に来てくれないか?それに、私としてはこんな綺麗なお嬢さんとまたお茶をしたい。」
『…えッ…あの///』
この人…もう60は超えてるはずなのになんで色気を出して話すんだ。
「ふッ…顔が赤いようだが大丈夫かな?」
『…ハイッ!』
「元気の良い返事だ。」
ニコニコするレイリーさんと雑談をしていると、カランと音を立てて扉が開いた。
「あら、お邪魔してしまったかしら?」
『いえいえいえ!!そんなことありませんッ!!』
「やァね、レイさんったらまたこんな綺麗な子を口説いて…」
「シャッキーも十分綺麗だよ」
「あら、ありがとう」
時間を確認するともう2時間近く経っていた。
『シャッキーさんと仰るんですね。すみません長時間、気を使って外出していただいて…』
「いいのよ、レイさんのお友達でしょ?なら、私のお友達でもあるから。そこの冷蔵庫も好きに開けて?」
開けてと言っておきながら、はいコーヒーのカップを置いてくれるのはこの女性の優しさだろう。
「で、話はできたの? さっきは口説いてたように見えたけど?」
『えェ、たくさん話しました。すごく満足しました!』
「あら、あなた笑えたのね…来た時あんまりにも死にそうな顔してたから…」
意識してなかった。確かに復讐は全てが終わり後は…もう。でも、決して望まれなかった命ではなかったと分かった…!
「また会いに来てくれるんだよね?お嬢さん?」
『えェ…また次は家族を連れてきます。』
「そう…待ってるわ。白ひげのところの天使ちゃん。」
コーヒーを飲むと、すぐにお礼を言って店を後にした。
『…次はどこに行こうかな…』
海に反射するようにキラキラ光るシャボンデイパークはとても綺麗で、宝石のように感じた。
『エース…今はどこにいるのかな。』
もともと、新聞を読むクセのなかった私に世界の情報を知ることはできなかった。その時一枚の新聞がまた世間を騒がせていた。
【火拳のエース!! 白ひげ海賊団に加入!!!】
クーッとカモメが鳴くのを遠目で眺めていた。