【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第5章 巨大な白鯨
少し油断した…強い人との戦いはどうしても集中しすぎてしまう。もしかしたらマルコとやらにバレてしまったかもしれない…
「アン少将…よろしかったのでしょうか。逃してしまって…ましてやこんなところで待機なんて。元帥がお知りなったら、怒られると思いますよ」
『うん…もちろん、分かってはいる。でも…ここは、彼らが仕切っている。彼らなりのやり方があるんだろう。各員、夜明けまで待機!!不死鳥が何も合図を出さなければこちらも戦闘に向かう!』
「「「はっ!!!!」」」
波や海を操ってしまったことを気づいている海兵はいないようで、誰も何も言ってこなかった。
Side.Marco
「ああ言った手前…行くかよい。今日は1番隊と4番隊で戦闘だ。その他はいつも通り、船の仕事を頼むよいー」
「よっしゃッ!!! 俺達の力を見せてやんぜ!!!いくぞー、4番隊!!!!」
「「おおーーー!!」」
「まったく、うるせェ奴らだよい。 じゃ、ちょっと行ってくる、親父。」
「あァ…ちゃんとこらしめてこい! 俺ァここで酒でも飲んでるぜッ!!グララララッ!!!」
親父はくっとまた酒を煽っていた。
近くに立っているナースたちは呆れた顔で見ていたが、親父が気にする様子はなかった。俺が今回の戦闘当番であるから、島に降りると、そこは前に来たときの面影はなかった。
「な、なんだよこれ…」
「こんなことって…」
街は所々残りがあり、人々がいない。賑やかな商店が並んでいた通りもまるで戦争でもあったかのように血があちこちについていて、家が焼かれていた。
「おまえら! 住民を探せよい!!!」
「「「はいッ!!!」」」
何があったっていうんだよい、ここで。
「アン少将ッ!!村を襲った海賊がわかりました!!!」
バンッと机に置かれた二枚の手配書…
『魚人…ロイヤとアイラの兄弟海賊…』
「はい、兄貴のロイヤとアイラの海賊団が島の1番丘にある廃墟で人質をとっているようです。街はとっくにもぬけの殻で…無残なものでした。」
『そう…このことを白ひげ海賊団たちは?』
「いま先ほど現場を知ったようで、島中を調べていました。
どうしましょうか。」
『……これはいわば海軍と海賊の協定…破るわけにはいきません。
白ひげ海賊団を待ちましょう…』
苦渋の決断をするしかなかった。