【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第45章 太陽はここに
なんとか死なずに済んだようで、私は新世界の無人島へ流されていた。
『ハァ…ハァ…ありがとう…』
[彼らもすぐそこにいるよ…]
『…着いてるのね…ありがとう…』
[僕らは行くね…また遊ぼうね。]
海王類はすぐそこといった。この島はそんなに広くないのだろう。真っ直ぐ森を抜けると賑やかな声が聞こえた。
「アンはいつ来るかな…」
「まさか、死んだとかねぇだろうな」
「馬鹿なこと言うない!」
「…まさか…」
死んだなんて…心外だな…全く
『…そんな簡単に殺されるとかクソだよね〜』
「おい、誰だッ!!そんなこと言うのッ!!」
疲れもあり木にもたれかかっていると、みんなが驚いた顔でこちらを見る。
「アンッ!!無事だったか!!」
『もちろん…船長命令だったしね。』
「…グラララ、よくやった…アン」
『うん、よかった…エース…ッほんとに…』
エースの顔をしっかり見ると安心からか涙が溢れてきた。たくさんの仲間が死んでいった。その尊い命を守るために…。
『ッうわぁぁぁ…っあぁ』
「ったくなんで泣くんだよい。」
「あん時みたいじゃん」
『エースッ、エーズゥ!!うわぁッ…っう』
エースに抱きつきに行くとしっかり暖かい。本当にちゃんと帰って来れた。親父様もみんなも無事に。
『ッう…あ…ッ…』
「お、おい…泣くなって…アンッ。」
「エースが慌ててんぞ…」
「そりゃそうだろうよい。誰でも妹には弱いもんだよい」
『ザボも…ありがどゥ…ッ!』
「お礼はキスでいいからな!」
「おい、サボッ!!」
「冗談だよッ! にしてもアンもルフィみたいに泣くんだな…意外だった。」
『…ッう、え?』
「大人びて見えてたからさ、泣けるって分かったらなんか唆るな!」
「お、お、おまッ!!」
「親父ッ!!こいつ危ねぇよい!!」
「アンちゃんに近づくなッ!!」
みんなが私とエースを守っていた。グルリとみんなの背中があって、目の前にはエースがいて…サボがいて…。
『ッはは、本当、幸せだね』
「グララララッ!!当たり前だァ!!」
『エース…おかえり!』
「おう!!ただいま!」
「「「おかえり〜!!」」」
ニカッと太陽みたいに笑う笑顔。やっぱりこれがないとね!!
『サボも、おかえり!』
「あぁ…ただいまッ!」
ギュッと暖かい温度で包まれた。