【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第32章 島での裏切り
〔聞いてんのかッ!アンッ!!〕
『落ち着いて…誰の番号だったの…』
〔これはッ、裏で出回ってるジョーカーの番号だッ!!誰か分かってんだろッ!!〕
サボの焦る声…全てを悟らせるジョーカーの一言。
『はは…平穏はこないねぇ〜』
〔呑気なこと言ってる場合かッ!!さっきの話が本当ならお前ッ、危ねえじゃねぇかッ!!〕
『うん…ごめんね、危険なことに付き合わせて。もう大丈夫』
〔おい、今どこにいるんだッ!早まった真似すんなよッ!〕
『…場所は教えられない。でもみんながいるから大丈夫だよ。
じゃ、また連絡するね』
〔おいッ!アンッ!!ちょっと待てッ!!〕
ガチャンと受話器を下ろす…電伝虫の再び鳴りだしたが、無視をした。そして、戦闘服に着替えた。
『間違いなくここに来ているのね。ドンキホーテ・ドフラミンゴ』
船から見上げる島は、賑やかなところで海賊にも怯えずに商売をしていた。
ーここにはよい…奴隷の売買場があるらしいから気を付けろよい。
マルコの言葉を思い出した。海軍にいた時噂に聞いていただけの奴隷の売買場。本当に存在してるのかと思った。
「グララララ…アンもいくのかァ?」
甲板に出ると親父様が舟番のラクヨウ隊と酒盛りをしていた。
『もう…舟番が酒盛りしてたら敵船きたらどうするのよ!』
「グララララッ、そん時は俺も戦ってやらァ!」
「だってよ!」
『ラクヨウッ! マルコがいないことをいいことに。』
「あいつなら、さっきエースと女連れて行ったぜ。」
『いや、別に聞いてないけど。』
「グララララッ、気を付けろよォ」
『うん、行ってくる。飲み過ぎたらダメだよ!』
船の塀を思いっきり蹴り、下に飛び降りた。
『土の感覚…懐かしい』
街に入るとそこら中に見知った顔がうろうろしていた。
「あ、そこのお姉さん!いっぱいどう?」
「クス…また今度ね」
サッチはどうやらナンパを試みているようだ。拳銃屋ではイゾウを、武器屋ではハルタとビスタ…酒場ではアトモス、ジョズ。
『…こんな島では流石に襲ってこないか。』
少し街から離れた丘を歩いていた時だった。
「フッフッフッ…そんなこたぁねぇな。むしろ、大勢いた方が燃えるだろう?」
上空から聞こえる声…体がピンと繋がれたように動かないとない。
『早いお着きで…ドンキホーテ・ドフラミンゴさん』