第3章 SSS キャラ×男主(―/7日更新)
★Aキャプテン・アメリカ
スティーブからたっぷりと愛情を注がれてきた俺だが、たまには俺リードで彼を気持ちよくしたいと思い立って二枚分の『性癖券』を支払った。『性癖券』とは二人の間限定の仮想通貨みたいなもので、一枚相手に支払う度にどんな気詰めな性癖てんこ盛りなプレイも受け入れてもらえるという券だ。
枚数はあくまで気持ちの問題、誠意の形に過ぎないけど。因みに全部で五枚を二人の間でやりくりするから、必然的に使えば使う分だけ次回がキツくなる。自分に求められる性的倒錯が五枚分やってくることもあるから、その場合は翌日の尻と腰は死ぬ。
「本当にやるのかい?」
「やる!」
「……わかったよ。君が求めるなら応える。でも期待にそえるかは分からないからそのつもりで」
「うん!」
ベッドへ気だるげに座るスティーブの前に立って、シャツを脱がしにかかる。首元からひとつずつぷちぷちボタンを外して太く張り出した首や肩、胸が顕になっていく姿を目に焼きつけるように見詰める。
(腕とか縛ったら怒るかな……)
脱がしたシャツを腕で留めて簡易的な拘束具にし、そのまま上半身を押し倒す。スティーブは少しだけ驚いた表情をしたけれど「……それで?」と、次の瞬間には挑発的に嗤うから俺の闘争心に火がついた。
★Aドクター・ストレンジ
深紅のマントが身体に絡み付く。早々に他人を好かないストレンジさんの魔導具がこんなにも気を許してくれるなんて。手の先のように動く襟端が唇をなぞるから嬉しさのあまりにキスをすると、カーテンタッセルが巻かれたみたいにマントの真ん中がギュッと締まった。
「良くやった」
「えっ」
とつぜん背後から声が掛かってびくりと肩が跳ねる。振り返るとストレンジさんが怖い顔をして俺をマントごとすっかり抱き締めていた。身動きが取れないから藻掻くことも抵抗する事も出来ない。『良くやった』なんて、まるで『良くを捕まえてくれた』みたいに聞こえて……。
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