第1章 風邪っぴきさん。

「うーん、まぁいいよ。」
「だめですよ、私ばっか聞いてもらっちゃって…」
「はー…」
「話してください。」
「あー、、、俺さ、好きなやつ泣かせちゃったんだよ。」
「そうなんですか？」
「うん。でも、泣いた原因は俺。」
「あらら、ダメじゃないですか。」
「しかもさ、そいつには好きな人がいるんだって」
「そーなんですか…」
「なのに、俺んちに泊まるって言ってんのね」
「ほー」

ほんと何が言いたいんだろう。自分で好きな人いますか？って聞いたばっかりに、私はどんどん辛くなっていく。

「俺さ、わりと我慢したんだけど、そろそろ無理だわ」
「え？」
「他に好きなやついるって知ってても告るのってあり？」
「いいんじゃないですかね。」
「わかった。」

わかった…？なんか文脈おかしくないですか？達央さん。

「あのさ、俺の好きなやつは、いつも仕事真剣に頑張ってて、」
「はい、」
「どんなときも笑顔をたやさなくて、」
「はい、」
「いつも俺んとこでいろいろ話してくれて、」

そろそろきついなぁ…なんで達央さんは急にこんな話をし始めたんだろう…

「でも、ときどき頑張りすぎて、倒れかけて、」
「はい、」
「おぶって連れてきたらさ、泊まってってくれるって言ってくれたのに、好きな人いるって言われてさ。」
「はい…？」

ん？なんか、聞いたことある気が…

「なぁ、そろそろ気づいてくんねぇの？」
「え？」
「くそ、お前さぁ、、、」
「えっと…」
「お前が好きだって言ってんの」
「、、、、え？…」
「だーかーらー、＊が好きなんだって。」
「え、、、」

どういうことなの…だって達央さんには好きな人が…

「でも、お前には好きな人がいるんだろ？俺の勝手で悪いけど、気持ちだけ知っててくれればそれでいいんだ。」
「え、でも、達央さんには好きな人がいるんじゃ…？」
「だから、それがお前だって言ってんの！」
「え…」

こんなぼーっとした頭では、理解しきれない。どういうこと、達央さんは私のことが好きなの？実は両想いだったってこと…？
騙されてるんじゃ？いや、でも達央さんはそんな人ではないし、この目は本気の目だ。ずっと見てたからわかる。