第3章 初訪問
「どうぞー」
「お邪魔しますっ」
「洗面所入って左です」
「あいよー」
玄関に入ると、*らしい可愛い装飾がされていた。
「あ、先にリビング行っててくださーい」
手洗いうがいをしっかりとしリビングに入ると、また可愛らしい部屋だった。
なんかきょろきょろみてたら、後ろから*が入ってきた。
「たつくん、何か飲みますか?」
「じゃあ、お茶くれる?」
「はい!」
「はい、どうぞ」
「ありがと。…っと」
「わっ」
お茶を持ってきてくれた*がコップを、机に置いたのを見計らって、手をぐっと引っ張って引き寄せる。
「たつくん?」
「ちょっとだけ… 」
「うん。」
ちょっと赤くなって頷いた*をみて、さらに強くぎゅっと抱きしめた。
「つっ!…」
「ん?*どした?」
「んー、なんでもないですよ?」
「そう?ならいいけど」
なんか*が、抱きしめた時にいつもと違う反応をした気がする。聞いてもなんもないって言うから、気のせいなのか…?
そんなことを考えて、少し気が逸れていたら、胸をぐっと押された。
「ん?」
「たつくん、私そろそろご飯作ってきますね。」
「あ、おう。ごめん」
「ううん。ありがと。ちょっと待っててください。」
昨日仕込んだと言っていたビーフシチューはもちろん、*の作る料理はどれもめっちゃ美味かった。
「あと片付けは、俺やるよ〜」
「いやいや、たつくんお客さんだし、私がやります!」
「いーの。美味しいもの食べさせてくれたお礼。」
「えー、じゃあ一緒にやりましょ!」
そう言ってテーブルの上を片付け始めた。
任せときゃいいのに、ちゃんとやろうとする、こういうとこ、ほんと好き。でもたまには休んで欲しいんだけどな。まぁ、今日はいっか。
また甘やかしてやろっと。
そんなことを考えつつ、*と2人で片付けていたら、すぐに終わってしまった。
「これで終わりですね!ありがとう、たつくん!」
「おう。こちらこそありがとな。」
めっちゃ可愛い笑顔でありがとうって言われて、なんかいろいろ爆発しそうだけど我慢我慢。
目線を*からずらすと、ちょうど時計が見えた。
「あー、んー10時かー。どーすっかなぁ」
「あ、そっか、時間…。あの、たつくん、?」
「ん?どした?」