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Voice Actors #T

第1章 風邪っぴきさん。


「ふぁぁ…。……っ!…頭いたい…」

そんな感じで、今日は朝から絶不調。
どうにかここまで来たけど、正直すごく体が重い。
でも、そんなことで仕事に穴を開けるわけにはいかないし、共演者の方に心配かけるわけにはいかないし、笑顔でいつも通りに見えるようにしなきゃっ…!
というか、今日は達央さんとの仕事の日だし…休むわけにはいかない!
そう、私は、達央さんに恋をしている。多分まだ本人には気づかれていないとは思う。尊敬する先輩だったけど、共演が重なるにつれて、プライベートでも会うことが多くなって、気づいたら好きになってしまっていた。
今のところ想いを伝えるつもりはないし、伝えて今の関係が壊れるのが怖い。伝えて距離ができるより、仲がいい先輩後輩の関係でいたい。



「おはようございますー!よろしくお願いします!」
「おー、*、はよー。ん…?」
「達央さん、おはようございます!…どうしました?」
「んー、いや、なんでもねぇ。」

スタジオに入って行くと、すでに達央さんは到着していた。
なんだか、じっと見られたけど、なんだったんだろう…。
とりあえずみなさんには何も気づかれてないはず…
薬も効いてきたし、なんとか、乗り切れそうかな…



『はい、ありがとうございます!一旦休憩で!』
「「はーい!」」

(はぁ…なんとかもったけどやっぱ体が重たいし、ちょっと頭ボーっとするなぁ。あと少し気合いだ…!)

「あ、いたいた。*ー」
「わぁ!達央さん!」
「わぁ!ってなんだよ。話しかけに来てやったのに。」
「あ、すいません…ぼーっとしてて」
「いや、驚かせてごめん。てか、珍しいな、こっちいるなんて。」

そうだった。ちょっと休みたいなぁって思って、みんなのいない方来ちゃったけど、よく考えたら、いつも向こういるのに不自然だった…

「そ、そうですか?…ちょっと、考え事してて…」
「そっか、大丈夫か?なんかあれば頼れよ?」
「あ、ありがとうございます。でも大丈夫ですよ!元気です!」

上手く隠せたかなぁ…というか、達央さんが、すこし悲しそうな顔をしている気がする。なんでだろう…

「ちっ…無理しやがって…」
「ふぇ?なんかいいました?」
「いや、なんでもねぇ、無理すんなよ?」
「え?あ、はい!ありがとうございます。」

『続きいきまーす。』
「「はーい」」
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