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【ONEPIECE】秘めやかな眠り姫

第1章 偶然の出会い




時刻は23時丁度。

古時計の鐘が低い音でぼーんと店の中に鳴り響かせる。

はとあるBARに来ていた。



ーーアンタ、海賊に襲われないよう気をつけな。

ーー気をつけた方がいいわよお姉さん、海賊に何されるか分からないから。

ーーこの街の人全員が海賊に警戒しているのよ。
だから気をつけてね。



お酒を飲みながら街で言われた言葉をふと思い出す。

街の人達が海賊に注意するようにと沢山の人から呼びかけられた。



ここはローグタウン。

かの有名なゴールド・ロジャーが生まれ死んだ街。

つい最近まで海軍本部大佐のスモーカーが駐在していたが現在は訳あってこの島にはいない。


巷では麦わらを追う為にここから離れているとか。

スモーカーが居なくなった事を気に今は海賊達がこの島を拠点にして活動をするようになっている。

放浪旅しているもその1人だった。

海賊達は店を荒らしたりしてとっても評判が悪い。

この事から海賊に対して街の人が注意深く呼びかけるのも無理もない。


「ーーま、結局何も無かったけどね。」


グラスに入っているお酒を一気に飲む。

蜘蛛の巣があちらこちらに張っており、外見はボロボロで治安が悪い場所に建っている店だが味は確か。

流石この島で有名なBARだ。


「んー、これとっっても美味しい。」


とカウンター越しでグラスを拭いているマスターに言う。


「ありがとうございます、そう言っていただけて光栄です。」


偏見だが、古びた店の割にはマスターの振る舞いがとてもいい。

旅をしてきて分かった事だが、大抵こういう店はマスターも客に対しての扱いが酷い人が多いからからだ。


「このお酒今とても人気なんです。一時期入手が困難で貴重なお酒になったほどですから。」

「ふーん…」


本来なら味わって飲むべきなんだろうが、ちびちび飲むのが好きではないはゴクゴクっとお酒を喉に通す。


「良かったらこのお酒の新作、1瓶買っていきませんか?」


マスターが言った。


「これの新作?」

「ええ、高級な原料を使って作られているので、これよりもっと美味しいです。」

「んー、これより美味しいのね。
…買っちゃおうかな。」


空になったグラスをテーブルに置き、胸ポケットから少々古びた財布を取りだした。
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