第3章 第三章 始動と再会
シュナイゼル兄様に学校に通いたいといってみたのは数日前だった。
当然、断られると思っていた。
今まで学校にいくことはおろか、敷地の外にすら中々出してもらったことはない。
いいよ、と笑顔で許可をもらえたとしても
必ず何かあったらと厳重な警備をつけて、わずかな時間、敷地の周辺までしか許しを得られたことがない。
それどころか、お兄様は外の情報を私が得ることすらよく思っていなかった。
まるで鳥籠の鳥のような寵愛ぶりだと自分でも思っていた。
私が関われる人物はお兄様とカノンさん、そして度々遊びに来てくれるユーフェミア…ユフィだけ。
正直異常だとお兄様に甘やかされて麻痺してる私でもわかった。
しかし、私は不満に思ったことはなかった。
むしろお兄様に愛されるだけの日々はなんて楽で幸せだとすら思うこともある。
けど、私は皇族の人間ではない。
政治利用のためで養子になった私だが、兄様と同じ血が流れているわけでもましてやブリタニアの血が流れてるわけでもない…日本人だ。
だけど、そんなの関係ないというばかりに兄様は私に無償の愛を捧げてくれる。
理由をきけば「兄が自分よりも大事な妹を大切にするのに理由はあるかな?」と同じ答えが返ってくる。
全てを知るまでは、それが私の日常で幸せだった。
兄様に外の情報をきけば、イレブンと呼ばれるようになった日本人とブリタニアにはやはり溝はあるらしいが、お互い歩み寄れるようになってきていると聞いていたし、
なにより兄様は双方にとって理想な世界になれるようにと思って、動いているといっていた。
お兄様がいうなら事実だ、安心だ。その時は本当にそう思っていた。
しかし、現実は違った。
遊びに来たユフィから聞かされたのはお兄様がいっていた現実とは異なっていた。