第4章 もう一人の幼馴染
無我夢中で走り続けたカナはシンジュクゲットーからだいぶ離れた場所までやってきていた。
もちろんエリア11どころかブリタニアの地理も全くわからないカナがここがどこであるかなんてわかるはずがなかった。
辺りを見回してみても先程までの人の喧騒は聞こえずに、人の姿もみれない。
「どうしよう」
急に心細くなってうずくまる。
もういやだ、帰りたい。
自分で屋敷を抜け出しといてそんな自分勝手なことを思う。
やっぱり私にはお兄様しか守ってくれる人はいないのだ。
ずっとスザクは生きていてくれると思ってた。
だからその報告をしれた時は本当に嬉しかった。
きっとルルーシュや私がいなくて、一人でさみしい思いをしているに違いないのだから、
私が守らないと…なんて、そんなおこがましいことを考えて飛び出してきた。
だけど、スザクは自分のことなんて初めから必要としてなかった。
それどころかカナは死んだと存在まで否定された。
悲しかった。心が壊れるような出来事とはきっとああいうことをいうんだろうとカナは思った。
思い出すだけで浮かぶ涙を乱暴に腕で拭った。