[おそ松さん]舞い降りた奇跡[カラ松][18禁有]
第1章 突然現れた女
泣き腫らした目を、デカパンから渡されたタオルで冷やしながら、○○は言った。
「私、これからどうしたらいいのか…。この世界のことは、何もわからないし、戸籍もないし…」
「それは、ワシに任せるダス。悪いようにはしないダスよ。チミはここにいれば、いいダス」
「ああ。デカパンに任せておけば、大丈夫だ。俺の家は男所帯だからな。じゃあ、俺は帰るぜ」
帰ろうとするカラ松の腕を、掴む○○。振り向いたカラ松に、懇願の目を向ける。
「待って下さい…」
(な、何てキュートなんだ!こんな彼女を放って帰れるわけ、ないだろぉおお!)
「一人にしないで…。怖くて、不安なんです…。」
カラ松は自分の胸に、抜けない何かが刺さったのを感じた。
「デカパン。俺も、泊まってく」
「ホエホエー。○○ちゃんに変なこと、するんじゃないダスよ」
デカパンの言葉にカラ松は、首を横に振った。
「そんなこと、できるわけがないだろう」
「あ…。私ったら、カラ松さんにも家庭があるのに…」
「ああ。それならノープロブレムだ。俺は結婚してないし、ブラザーたちも俺がいなくても、気にしないさ」
「そんなこと…」
「本当だぜ、フェアリー」
「だって、カラ松さんはこんなに、優しいのに…」
○○の言葉にカラ松は、天にも昇る心地がした。
「ワオワオワーオ!優しいお・れ!」
キョトンとしてカラ松を見ていた○○はそのうち、クスクスと笑いだした。
「ふふふっ。カラ松さんて、面白い」
「ベリーグッド!レディーには、やっぱり笑顔がよく似合うぜ」
そこへダヨーンが来て、デカパンがあつらえてくれた部屋に、○○を案内してくれた。
「ダヨーン、ダヨーン」
「ありがとうございます。お世話になります。カラ松さんも、入ってください。あなたのこと、もっと知りたいんです」
カラ松は顔を真っ赤にして、照れた。
「い、いいともさ!たくさん話してやるとも!だが、その前に!」
○○の前でポーズを決め、言い放った。
「敬語は、なしだぜ!ベイビー!」
「あははは。はい。…あ、うん!」
「オゥケーイ!」
そこへデカパンが、慌てた様子で来た。
「言い忘れてたダスが、その部屋はベッドしかないんダス。用意するまで、我慢してくれダス」
続く