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[おそ松さん]舞い降りた奇跡[カラ松][18禁有]

第1章 突然現れた女


彼女が話そうとした時、聞き覚えのある声がした。

「ホエホエー、カラ松くん。こんなとこで、何してるダスか?しかも、そんなかわいいお嬢さんと一緒ダスか」

「デカパン!いいところに来た!」

カラ松はデカパンに、事の次第を話した。

「ホエー。急に現れたダスか。とりあえず、研究所に行くダス」

「歩けるか?」

カラ松は、さっきあれだけ泣いたのだから、立ち上がれるかどうかを心配した。

が、彼女は寝息を立てていた。

「泣き寝入りしたんダスな」

「よほど悲しいことが、あったんだろうな」

そう言って彼女を横抱きにする。その体は、びっくりするほど軽かった。

研究所にたどり着くと、ベッドに寝かせる。

「彼女のことを調べるダス。チミは、帰ってもいいダスよ。結果は、知らせるダス」

だがカラ松は、首を横に振った。

「目覚めるまで、側にいてやりたい。迷惑か?」

「いや、構わんダスよ」

デカパンは、彼女の血液や髪を採取したりして、色々調べた。その間彼女の方を、何度も振り返りながら。

「…ホエー」

「何か、わかったのか?」

「…カラ松くん。彼女は本当なら、ここには存在しない人ダス。別のところから来たんダスな」

「そんなことが、あり得るのか?」

「わからんダス。でもそれ以外に、この結果を裏付けることが、できないんダス」

「…だが、それが本当なら、彼女は行くあてもないんだな…。不安だろうに」

「…チミは、優しいダスな。」

その時彼女が、目を覚ました。

「ん…」

「目を覚ましたかい、フェアリー」

「あの…、私…。私のことを、話します…」

「いいのか?無理に話さなくても、いいんだぜ?」

「いいんです」

彼女はポツリポツリと、話し始めた。

「私は、○○といいます。さっきまで、橋の上にいたんです。でも…っ、突然いくつもの、火の玉が…っ!そこにいた人たちみんな…!」

再び泣き出した○○の頭を、優しく撫でるカラ松。

「ドンウォーリー。何も心配することはなぁい。俺がついてる」

「私の上にも火の玉が…っ!気づいたら、あの場所に…っ!」

「わかったダス!○○さんは、戦争時代の人ダス!火の玉は恐らく、焼夷弾ダス」

「戦争か…。恐ろしかっただろう。だが、ここは、安全だ。俺は、松野カラ松。とにかくその目、冷やしたほうがいい」
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