[おそ松さん]舞い降りた奇跡[カラ松][18禁有]
第6章 舞い降りた奇跡
次の日、二人は松野家にいた。
「ダディ、マミー。ブラザーも、聞いてくれ。俺は○○と、結婚する」
「カラ松。働きもしないで、どう生活するんだ?」
「そうよ、カラ松。まず就職してから、言いなさい」
両親に言われたものの、どんな職業に就いたらいいのか、検討もつかない。
「なあ、カラ松。前にお前がギター弾いて、○○ちゃんが歌ってた時、あったろ?」
「あれ、よかったよねー」
「聞き惚れたよね!」
「路上でやってみれば…?」
「おお、そうか!やってみよう!」
早速ギターを持って、○○と外に出た。だが、いざやるとなると、緊張してうまく弾けない。
「ダーリン。あの時のことを、思い出して」
初めて○○の前でギターを弾いたあの時。自分は何を思っていたか。
「俺はあの時、ハニーのことを考えていた」
カラ松の手が、指が自然に動き、メロディーを奏でる。それに合わせて歌う○○。
あの日 あなたに会えた幸せを
胸に抱いて 歩いてる
優しいあなた でも不器用で
けれど純粋に 私に愛をくれる人
あの日 あなたに会えなかったら
今頃どうして いただろう
ありがとう 愛しい人
私はあなたに 誓います
ずっと側に あなたの側にいることを
○○のカラ松への気持ちが込められたその歌に、通る人も足を止めた。
そのうちカラ松も、歌い始めた。
君は俺を わかってくれる
真っ正面から 見てくれる
君とあの時 出会えなかったら
俺はきっと 心折れていただろう
ありがとう 愛しい人
俺は君に 誓うよ
君をずっと 幸せにすると
結婚しよう 愛してる
歌い終わると、拍手が起こった。二人の歌を聞いていた人たちからの、惜しみない拍手。その中にはデカパンやトト子、おそ松たちもいた。
「ヒューヒュー!」
「よっ、ご両人!」
「幸せにね、二人とも!」
「ホエホエー。ワシがプロデュースするダス」
「お父さんが?」
「嫌ダスか?」
「ううん、嬉しい!」
「ワシに任せるダス!」
「デカパン。何から何まで、サンキューな」
「ホエホエ。大事な娘のためダス」