[おそ松さん]舞い降りた奇跡[カラ松][18禁有]
第5章 夏の終わりに(18禁)
その日の夕方。六つ子たちは落ち着かない様子だった。それもそのはず、今日は花火大会の日だ。それぞれ浴衣を着せてもらい、外に出る。
そこへ、トト子もやってきた。おそ松が呼んだらしい。
「お待たせー。行きましょ」
「ノンノーン、トト子ちゃん。今から俺のハニーを、迎えに行くんだぜ」
「え!カラ松くん、彼女できたの?!」
「ふっふーん。ベリーキュートなマイハニーだぜ」
「デカパンのとこに、いマッスル!」
「えーーーーーーー!信じられない!」
やがてデカパンの研究所にたどり着き、呼び鈴を押す。
少ししてドアが開き、ダヨーンが出てきた。
「ダヨーン」
「あ、はーい。じゃあ、いってきます」
「行ってらっしゃいダス」
出てきた○○は、長い髪をアップにし、青い桔梗のかんざしを刺していた。
「迎えに来たぜ、マイプリンセス。よく似合ってるぜ」
差し出された手を取り、幸せそうに微笑む。
「おー、きれいッス!」
「ダーリンが選んでくれた浴衣だもの」
その二人の前に、トト子が立った。
「あなたが、カラ松くんの彼女?」
「はじめまして、○○です」
「物好きね。こんなクズニートの、どこがいいんだか」
「クズじゃありません。この人は優しくて、でも不器用で、自分よりも周りの人のことを考える人です。私はこの人を、守ってあげたい」
「俺も、お前を守りたい。守らせてくれ」
「…へぇ、本物の愛ね。幸せにね、カラ松くん。○○さん」
「ありがとう、トト子さん」
「カラ松くん。青い薔薇の花言葉、知ってる?」
「いや、アイドンノーだ」
「奇跡、神の祝福だよ」
カラ松と○○は顔を見合せ、恋人繋ぎする。
「○○さん」
「○○でいいです」
「じゃあ私も、トト子でいいわ。どうしてそんなにカラ松くんのこと、理解できるの?」
「伝わるの。こうして手をつないだり抱きしめたりすると、カラ松の気持ちが伝わるの」
トト子は隣にいたおそ松の手を握る。
「ト、トト子ちゃん!」
「んー。特に何も感じないけど」
「ひどっ!」
やがて会場に着くと、すごい人だった。
「うわぁ…」
「こっちよ」
トト子に促され、後をついていくと、そこには誰もいなかった。
「誰かに言ったり拡散したら、殺すからね」