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夢の続き【アイナナ】

第18章 一織夢3(クラスメイト) ※切甘。暗め。


数日で卒業式になった。
彼女に会うのも、今日で最後。
数日後には、引っ越すらしい。

アイドルの私は、同級生や、下級生からも告白の嵐。
手紙や花やプレゼントで、埋もれそう。
それは四葉さんも同じだった。

なんとか切り抜けて、最後に彼女を探す。
いない。どこにもいない。
彼女と、中のよかったクラスメイトをみつけ、ダッシュで追いかけ、彼女の肩を掴む。
「えっ和泉くん!?」
「あ、あの…夢野さんは?どこ?」
「え、今、帰ったよ…」
「ええっ」
「ほんとに、今さっき」
それを聞き、上履きのまま再びダッシュで学校をでる。
「和泉くんーがんばれー!」
遠くで、さっきのクラスメイトの声が聞こえる。
途中で、四葉さんとすれ違う。
「あれ…いおりん…って、そっか、いけー!いおりーーん」

(ははっ何でこんな、必死になってるんだ!?)
なんだか可笑しくなって、そう思いながら、ダッシュして、彼女に、追い付いた。

「ハア、ハアハア、夢野さんっ!」
汗だくで、息を切らす。
「えっ?和泉くん!」
「ハハッ全く、私らしくない、一昔前の青春ドラマの主人公の気分です」
「うん、ほんとに、最後の最後で、こんな必死な和泉くん見れると思わなかった」
「ええ、自分でもびっくりですよ」
「あ、そういえば…週刊誌載ってたね、新しい彼女?と…アイドル同士お似合いだと思う。おめでとう…」
うつむいて、少し悲しそうに彼女は、言う。
「はあ!?ほんとにあなた、バカですかっ!こんな、こんなに今でも、私の胸を占領してるのは、あなたなのにっ」
「えっ…」
「あなたが、好きで好きで…しょうがないって言ってるんです!」
真っ赤な顔で叫ぶ。
「い、和泉くん嬉しい…嬉しいけどさ…」
泣き出した彼女の肩を抱いて、キスした。
唇を離し、彼女の涙を拭う。
「遠距離とか、勉強とか…何も考えないで、率直な気持ちだけ教えて下さい」
「う、うう…そんなの、好きに決まってる」
その言葉を聞いただけで、一ヶ月近く渇れていた心が一気に、潤う。嬉しくて、嬉しくて涙がでた。

笑顔で、彼女を強く抱きしめて、またキスを降らせた。

数日後、彼女は、札幌に引っ越した。
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