• テキストサイズ

夢の続き【アイナナ】

第18章 一織夢3(クラスメイト) ※切甘。暗め。


#4 ※注 切甘。暗め。

学校が終わり、四葉さんと真っ直ぐ、寮に帰宅した。
「いおり、たまき、お帰り~」
兄さんがダイニングで、そう声をかけた。

ふとみると、テーブルの上に美味しそうな温泉饅頭。

「なにこれ?くっていいのー?」
「うん、大和さんのお土産ー。お茶淹れるわ」
「へー、ん、これうまっ」
私も、つられて、思わず、お饅頭をもぐもぐ食べる。
確かに、シンプルな美味しさ。
「ドラマのロケとかですか?温泉なんて」
「んー、いや、オフに彼女と行ったらしいよ。ったく、やらしーよな~」
お茶をコトンと置いて、兄さんがいう。
「おー、やまさん、彼女めちゃくちゃ大事にしてるの、ちょっと意外」
「あー、わかるっ恋愛面倒とかいいそうなのに、想像以上に一途だよな」
「……」
ごくん、と残りのお饅頭を飲み込み、無意識にハア、とため息をつく。
「お?どうしたー?いおり」
「あーみっき…今、いおりん彼女とちょっとあれなんだよ…」
「…あれって何ですか、四葉さん」
「夢野とギクシャクしてんじゃん」
「へえ?いおり、彼女とケンカでもしたのか?」
「ケンカ…というか、もう半分フラれたようなものです…」
「「!?」」
「卒業したら、札幌の大学に行くことを、決めたそうです。大学では勉強に集中したい、と言われました。」
「ふーん、なるほどな…それで、いおりはどうしたいんだ?」
「……わかりません…どうしたいのか、自分でも」
「遠恋かー、キツそう…でも札幌、飛行機乗ればすぐだし。普段はスカイプとかで…」
「勉強に集中したいから、連絡とらないって言われたんですよ。ハハッ遠回しにフラれてるでしょう?さすがの私でもわかりますよ」
「あー、そっか…キツイな」
「……なあ、いおり」
「何ですか、兄さん」
「彼女と別れるとしても、気持ち整理してちゃんと別れろよ。でないと、引きずる。」
「………はい、わかってます」
無理して、笑顔をつくる。
我慢してた涙がポロ、と溢れる。
「泣け、いおり」
そう言われ、涙が止まらなかった。
その日は、兄さんと四葉さんに、慰められた。
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp