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夢の続き【アイナナ】

第15章 大和夢2(新人女優) ※微裏


そう思いながらも、仕方なく約束の食事会にいくことにした。
シティホテルの最上階レストラン。夜景がすごい。
(うっわー…ラグジュアリー…)
思わず気後れする。
仕事の話を聞きながら、お酒をすすめられて、何度も断ったけれど、押しきられ、一杯だけワインを飲んだ。

確かにお酒は強くない。
けれど、一杯で完全に酔っ払ってしまった。
頭がいたくて、気持ち悪い。

酔ったの?送っていこうかと、Yプロデューサーに声をかけられ、席を立ったら、ふらついてしまう。前後不覚。腰を、支えられ店を出る。
プロデューサーの手つきが気持ち悪い。

レストランを出て、エレベーターのエントランス。
急に後ろから、誰かに抱き抱えられた。
ふわっと香る、よく知った香り。
「え…?」
振り向くと大和さんがいた。
「Yプロデューサー、これ、俺のなんで返してもらいますね」
「はっ!?お前一体!?」
バサッとプロデューサーに上着を投げつけて、エレベーターに飛び乗る。
「う…大和さん?…あー吐きそう…」
「ハイハイ、もうちょい我慢して」
エレベーターが着いたら、大和さんに、おんぶされホテルの部屋のトイレに駆け込んで、吐いた。

大和さんが、私の髪を後ろでおさえながら、背中をさすってくれる。涙もポロポロでてきて、ぐちゃぐちゃ。

「大和さん…うう、ごめんなさい…」
「ハイハイ」
タオルを渡され、ごしごし顔をふいた。
「ちょっとスッキリしたか?」
「はい…一杯しかのんでないのに、悪酔いしました」
「まあ、おおかた、なんか盛られたんだろ」
「え…!?」
「さっきのプロデューサーの手口。あのままだったらおまえさん、今頃意識ないまま襲われて、泣き寝入りだったな」
「……!そんな」
「そういう世界なんだよ、俺らがいるのは」
手を引かれ、部屋に行きベッドに横になった。
「まーお説教したいとこだけど、疲れただろし、もう休みな」
頭を撫でながら、大和さんも添い寝する。
「…よく場所わかりましたね?」
「ん、ああ、局から後着けたから、しっかし、さすがにお兄さん、結構焦ったわー」
ふう、と天井見上げ息を吐く。
ぎゅっと大和さんに抱きつき、泣きながらごめんなさいありがとう、といった。

大和さんは、優しく涙をぬぐい、触れるだけの優しいキスをくれる。
「手繋いで寝ようか?」
大和さんは、そういって、手をぎゅっと握ってくれたのだった。

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