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夢の続き【アイナナ】

第13章 妖万華鏡の楽紡


らーめん葛ノ葉

「ほーーあの、鬼の英はんが、規則を守らんなんて、めずらしいこともあるんやなあ」
「ほんと、驚いたよ、まあ可愛い娘だったし、ね」
詠がらーめんをすすりながら答えた。
「へえ、そない可愛いらしいの…?」
「お好みだったの、隊長さん?」
九尾の狐が入り口に目線を送る。

「「えっ!」」
「また、こんなところで油を売ってるのか、お前らは…」
はあ、とため息をつき、英と紡が店に入ってきた。
「ほーー可愛いらしい娘やん、英はん。隊長がこないな規則違反、ええんかなあ?」
ニヤニヤしながら重が言う。

「あ、あの私が落とし物してしまって、すごく、大事なもので…英さんに無理にお願いしたんですっだ、だから英さんじゃなくて、お咎めなら私がっ…!」
「よせ、俺の独断だ。重、上に言いたければ言え。」
「で、でもっ」
「いいから」
「……はーーー。なんか、しらけたわ。英さん、せいぜいきばりや」
そういって、重と詠は店を出た。

コトンとらーめんが一つ、紡の前におかれた。
「まあまあ、とりあえずらーめん食べて元気だして、娘さん」
「!…あ、ありがとうございます、いただきます」
「おい、俺のらーめんは」
「うちは、セルフサービスだよ、お客さん」
にっこりと、九尾の狐は微笑んだ。
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