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夢の続き【アイナナ】

第8章 九条天夢(新人アイドル)


九条天が指定した日時。
打ち合わせでテレビ局に行った帰り、事務所のレッスン室に向かう。

駅からの道を、歩いていると、空がゴロゴロと、怪しい雲行き。
(雨降りそう…傘ないし、走ろう)
そう思ったのも、つかの間、どしゃ降りになる。
事務所に着いた頃には、びしょ濡れになってた。
持っていたタオルで、拭く。
(着替えたい…ああ、でも時間にうるさそう、九条天!イヤミ言われたくないし、先にレッスン室にいこう)
ずぶ濡れで、レッスン室に入る。
先に来ていた、九条天が驚いてこちらを見る。
「君…なんでそんなことに?」
「えへ、急に降られて…着替えます」
といって、そこで着替えを忘れたことに、気づいた。
「着替え…忘れました…」
「はあ?」
「……す、すみません」
しょんぼり落ち込んでると、スッ、とTシャツとジャージを渡された。
「え?」
顔を見上げると、少し照れたような、九条天がいた。
「少し大きいかも、知れないけど、僕の服着て。僕のせいで、風邪引かれたら困るから」
意外に優しい対応に、面食らいつつ、ありがとうといって着替えを受けとる。

雨に濡れた服、本当に気持ち悪い。
九条さんは、私に背を向けていたし、レッスン室の隅で着替えようと、ばっと服を脱いだ。
その瞬間、九条天が振り返り、目を丸くして心底驚いた顔して、タオルを私に押し付けてきた。
もう片方の手で、真っ赤な顔を押さえてる。

「な…っ!?ばかなの君?別室で、着替えてきてよ」
「え、いいですよ…すぐ着替えるんで、後ろ向いてて下さい」
すると、こちらをみて、真剣な目線を絡ませる。
手首を捕まれ、顔を近付ける。
「僕も、男なんだけど?…わざと?」
「え…そんなつもりじゃ…」
思わず、見たことないような表情に、ドキリとした。
「ねえ、なんでこんなに、僕が君にかまってあげてるか、いい加減、教えてあげようか?」
「え、ええ?」
そのまま、九条天の綺麗な顔が、至近距離に近づく。躊躇なく、噛みつくようなキスをされた。
「んんっ」
吃驚して、肩を押し返したけど、びくともしなかった。


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