• テキストサイズ

夢の続き【アイナナ】

第5章 千夢(新人女優)


#1
私は夢子22歳。駆け出しの女優だ。
高校の時から、Re:valeの大ファン。

「夢子ちゃん、次のドラマ主演で決まったよ」
「ほんとですか、マネージャー!どういう作品ですか」
「ラブコメもので、なんと、W主演の相手役は…Re:valeの千さん!」
「ええええー!?」
「それに、キスシーンもあるよ」
「えええええー!?マネージャー、私倒れそう…」
「まあまあ、憧れの人との初共演が恋人役って、ハードル高いよね…そこはプロだし割り切って、役づくり頑張ってこ」
「はい」

それから、初台本合わせの日がきた。
憧れの、千さんに挨拶に行く。
間近でみる千さんは、優雅で美しくて、まるで白鳥のような、綺麗さだった。

「千さん、はじめて、共演する夢子です。よろしくお願いします」
緊張で、声が少し震えた。
「こちらこそ、よろしく、リラックスして行きましょう」
優しく微笑む。後ろに薔薇でも背負ってそうな耽美さ。
(千さんめちゃくちゃ美しい~)

撮影初日、千さんに緊張してしまい、私はNGを 連発してしまった…
監督にも、マネージャーにもダメ出しの嵐を受ける。

帰り道、誰もいない局の廊下で、深いため息をはく。
(せっかくの主演のチャンス、ほんとに何やってるの私…!)
壁にゴツン、と頭を打ち付けた。

「頭…大丈夫?」
背後から、知った声が聞こえて、勢いよく振り返った。
「ゆ、千さん…!」
(よりにもよって、千さんに見られるなんて…)
「一人、反省会?」
「あのっ今日は千さんにも、ご迷惑沢山お掛けしてしまい、大変申し訳ありませんでした…!」

「別に、新人ならよくあることだし、気にしないで」
「それで、その…私、高校生の時からRe: vale の大ファンで、正直に言うと今日は緊張しすぎてしまいました。明日からは気を引き締めてー…」
そういい終わらないうちに、千さんが言葉を遮った。
「ねえ、お肉好きでしょ、君」
「へ?…あ、はい…?」
「そうだと思った。この後予定大丈夫?沢山食べさせてあげるから、着いてきて」
そう言って、千さんは私の手を引く。
「え…?千さん…えええー!?」

/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp