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夢の続き【アイナナ】

第5章 千夢(新人女優)


連れてこられたのは、都内のマンション。
千さんの自宅だった。
(千さんのじ、自宅…緊張で、頭がくらくらする…)
「僕が全部作るから、君は台本でも読んでて、…後で合わせるよ」
「は、はい!」

しばらくしたら、インターフォンがなり、ガチャと部屋に入ってきた人物、なんと、百さん。
「モモ、ナイスタイミング。ちょうど出来上がった所だよ」
「も、百さん!?」

「はじめまして、夢子さん、モモです!」
百点満点の笑顔で、百さんが太陽みたいに笑う。
「はじめまして、夢子です。…私百さんの大ファンで、あ、握手して下さい!」
「え?ほんと?めちゃくちゃ嬉しいっ感動しちゃう!」ぎゅ、と握手する。

「百推しだったの…?」
千さんが、料理を準備しながら、流し目で言う。
「はいっ!…じゃなくて二人が大好きなんです」
「ふふっ夢子さん、おもしれえ、さっ食べよ!めちゃくちゃ美味しいよ」
「千さんはベジタリアンですよね?」
「よく知ってる!、さすがファンだね」
「この後、台本あわせするから、お酒はなしね」
「…はい!」

千さんの料理は、どれもほんとうに美味しかった。
百さんの場を盛り上げる力もあり、かなり緊張も溶けて、和んだ柔らかい雰囲気になっていく。

百さんにも手伝ってもらい、台本を合わせる。

「そうね、だいぶいいんじゃない?今日の撮影の時とは別人じゃない。明日の撮影もその調子でいけそう?」
「は、はい!ありがとうございます、なんだかもう至れり尽くせりで…感謝します」
「まあ、君が緊張してガチガチなのは、半分は僕の責任だからね。明日から、またよろしく。百、遅いし、彼女送っていってあげて?」
「もちのろん!」
「ほんとうに、ありがとうございます!明日もよろしくお願いします。失礼します」
「そうね、じゃあまた明日」

マンションを出て、百さんの車で送ってもらう。
「百さんに、送ってもらうなんて、見に余る光栄です…!」
「またまた~俺も君のファンだよ!朝ドラの妹役めちゃくちゃ良かったよね~」
「観てくれてたんですか…あ、ありがとうございます…!」
「…ん、ユキも君のこと、相当気に入ってるぽいよ。いきなりユキのテリトリーに入れるって、そうそうないし、…撮影頑張ってね!」

まぶしい笑顔と、ウインクでそう言った。
(明日から、フルエンジンで頑張ろう…!)
ぐっ、と拳に力を込め、そう誓った。
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