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夢の続き【アイナナ】

第21章 ボーイズトーク2 壮五、陸 ※裏


#1壮五

大学生の時に、同じゼミの夢子に告白されて、付き合った。彼女は僕に、ぞっこんだった…と思う。
一年で、別れた。僕がふった。
彼女は泣いてすがり、ほんの少しだけ、自分に優越感を感じた。

それから、半年くらいたった頃ー…

万里さんと、環くんと三人で仕事終わり、居酒屋に行った。

半個室の隣のテーブルに、別れた日以来の、夢子がいた。男と二人で。

「っ!」
「どうしたの?そーちゃん」
「い、いや何でもないよ環くん、あ、唐揚げ美味しそうだよ!」
「おおーほんとだ、んまそ!」

お互い知らないふりをする。
目の端に、彼女が男と親しげな姿が映る。
動揺して、お酒のペースが上がる。
「どうしたの?壮五くん、今日ペース早いね、何かあった?大丈夫?」
「…あっ、特になにも…大丈夫ですよっ…でも、そうですね…ちょっと飲みすぎました。僕、トイレ行ってきます」

トイレで顔洗って、クールダウンしよう。
そう思い、トイレに向かう。
狭い、トイレに続く居酒屋の廊下。
バッタリ、彼女と鉢合わせ。
「「あ…」」
ペコリ、と会釈して彼女は、僕の横を通り過ぎようとした。
僕は、バンッ!と、壁に手をつき、進路を塞ぐ。
そして、ただ彼女を見つめて、低い声で
「どういうこと?」
と、聞いた。
「え?どうって、見ての通りだけど?」
余裕綽々の彼女。
「彼、恋人なの?」
「うん、そうだよ」
酔っていたし、かっとなって彼女の手首を掴み、口をふさいだ。
「んっ!」
彼女は全力で押し返すけれど、僕はびくともしない。
「な、何するの…!?」
「どこがいいの?嫌だから、別れて」
「はっ!?私をふったのは逢坂くんじゃないっ何今さら…しかも突然っ!」
そう言いながら、彼女は目を潤ませて、明らかに動揺してる。
逃げるように、立ち去ろうとした彼女の耳元で、このあと、店の裏で待ってる、と告げた。
「………」
無言で僕の横を、すり抜けた。
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