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夢の続き【アイナナ】

第20章 三月夢(幼なじみ)※微裏 


ネズミーランドの入り口で座り込む彼女。
はあはあと息を切らして向かう。

「夢里…!ご、ごめん…寝坊した」
「………遅すぎる」
かなり、怒ってる。
「ほんとごめん!じゃ、とりあえず中はいろうぜ…あっ!」
そういって、チケットもプレゼントも寮に忘れて来てた。
「何?」
「うわあ…チケット忘れた…今から窓口並ぶわ」
「はあ、三月……私、帰る」
「え!?」
「もう、会わない。もういい。ていうか、今日さ、ほんとに寝坊したの?」
「え…」
ギクリ、とした。
「最後にそれだけ、本当の事教えて」
「さ、最後って…何言ってんの…」
「……」
「…昨日、ドラマの打ち上げがあって、それでー…」
「もしかして、誰か女の子と夜過ごしたりして?」
「えええええ!な、何でわかっ…」
そこで、彼女のハンドバッグが思いっきりヒットした。
「いでえっ」
彼女は、大粒の涙を流して、俺を見た。
「みそこなったよ」
そう言うと、去って行った。

ーー

頭が真っ白で、もう何も考えられなくて、どうにか寮に帰った。

「お、ミツお帰り、昼帰りとはやるねえ…」
大和さんが、ニヤニヤして俺をみる。
「……大和さん、俺フラれた」
「へ!?」
「お、俺…調子に乗って、ほんと…最低なことした」
じわじわと、涙が溢れる。
「え、おいおいどうした、ミツ」
「俺…俺は、バカだーー!」
そう言うと、大声をあげ、大泣きした。
涙が枯れるまで、泣いて、大和さんはずっと俺の背中をさすってくれたのだった。

ーー

「んー…なるほどね…。ていうか、俺にも半分責任あるよな、ごめんなミツ」
「いや…大和さんのせいじゃない。誘惑に負けた自分のせい。全部身から出た錆び」
「未練…ある?」
「…そりゃ、十年以上付き合って、こんな別れ方…よくない…というか彼女のいない生活が俺わかんねえわ」
ガタッと席をたち、部屋から誕生日プレゼントを持ってくる。
「やっぱり、プレゼント渡してくる。会ってくれるかもわからないけど、たとえ最後でも、ちゃんと謝ってくる!」
「おう、頑張れミツ」
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