第2章 本能
お互いの湿った肌が擦れあう音。肌と肌がぶつかる音。
蘭丸の吐息や、不意に漏れる蘭丸の感じている声がいつも以上に耳に届く。
「……っ。ら、蘭丸っ。」
あれからどれだけの時間が経ったのか分からないくらい、無我夢中で感情をぶつけてくる蘭丸を受け止めてるのがそろそろ限界が近い。
「んっ……んん!……あっ、もうっ………っ」
床から始まり、ソファの上や、机の上。
今はベッドでこれでもかと言うくらいずっと蘭丸に抱かれている。
「……はぁっ、まだ…お前を抱いていたい…。」
そんな切ない顔をされても、もう応えるだけの体力も気力もない。
今にも気絶しそうなくらい、体がふわふわとしてきて意識が途切れそうなのを必死に堪えて蘭丸にしがみつく。
「お願い………お願いだから、蘭丸…もう限界…蘭丸にもイッて欲しいの…。」
体を離すと蘭丸が少し申し訳なさそうにサッと目を伏せて、再びこちらを見つめ返してくる。
蘭丸の指先が優しく優しく髪を撫で、頬をなで、唇をなぞる。
そっと瞼に落とされるキスも凄く優しい。
「乱暴な抱き方して悪かった…、もうこんなやり方絶対しねぇから。」
今度は唇に優しく唇だけを押し当てるキス
「今日だけだから…」
2回、3回と落とされるバードキス。
「そろそろイッていいか?」
落ち着いた声とは裏腹に、私の中にある蘭丸のものが凄く熱くなって来てるのがわかる。
そして、こんなに抱かれていても私の体もまだ反応するらしい。
今日の蘭丸は異常なほどに私を抱くけれど、私も異常な程に蘭丸に反応してしまう。今日は本当にどうかしているのかもしれない、二人揃って。
今度は私から蘭丸に優しくキスをする。
「蘭丸に抱かれるの好きだよ。蘭丸の事大好きだから」
「………っ。ばーか。お前本当に馬鹿な女だ…」
「…!!ちょっと、なんでここで私の事、馬鹿って…あぁっ!あっ!」
私の言葉を待たずに、再び蘭丸の腰が動き始める。
深く、次第に早く。動きが早くなると肌と肌がぶつかる音が部屋に響き渡る。