第3章 終業式の後に(芥川/跡部)
めいこ「ハイハイもしもし?え?いや、まだ食べてないけど...あそっか!忘れてた!うんはいはい、道中適当にするからそのまま行くわ、うん、はーい」
【ピッ...プーップーッ】
めいこ「やばー!」
慌てて身支度をするめいこ。
跡部「どうした」
めいこ「午後から塾あるの忘れてました!すんません!」
跡部「...そうか、送ろう」
めいこ「ありがとうございますだいじょぶです!多分電車の方が早いから芥川先輩と帰ります!じゃあまた部活で!お邪魔しましたー!」
跡部「っっおい!」
跡部は手を伸ばしたが、めいこは手を振りながら走って行ってしまった。
隣の部屋から「あくたがわせんぱああああい!」と叫ぶ声がする。
跡部はこの後色々と計画していたのだが、めいこがいつも通り斜め上を行ったため全てオジャンとなった。
けれど、こんな慌ただしいのも悪くない。
あいつといると、他の事を少しの間忘れられる。
そう思いながら跡部はサイドテーブルに置いてある受話器を取った。
めいこ「もうまた寝てるし!」
芥川は書斎のソファで読みかけの漫画を腹に抱えて爆睡していた。
めいこ「もーっ!」
慌てて散らかった漫画を元の本棚に戻す。
よし、こうなったら奥の手!
芥川の耳元に口を寄せて叫ぶ。
めいこ「あー!あんなところに丸井くんが!」
芥川「えっ!ドコドコ?!」
ガバリと起き上がった芥川の首根っこをすかさず掴む。
めいこ「嘘ですいません!丸井ブンちゃん先輩はいません!」
芥川「えーっ!」
めいこ「さぁ先輩帰りますよ!」
芥川「なんでぇ?!もう?」
めいこ「急用思い出したし帰り道分かんないし!」
芥川「なにそれー!」
腕をガッシリ掴まれた芥川は、よろめきながらめいこの後を付いていく。
芥川「ナニナニしかもその呼び方ー!知り合いかよー!」
めいこ「いや話したことすらないですよ!でも丸井ブンちゃん先輩ってゴロ良くないスか?」
芥川「わかんねぇー」
めいこ「まぁ本人の前では言いませんけどね」
ドアを開けた途端、おいしそうな料理の匂いがしてきた。
そういえばまだお昼を食べていない。
芥川「あぁーうまそーブタブタ麺〜」