第3章 終業式の後に(芥川/跡部)
跡部「なーにやってんだ、テメーらは」
プールの入り口には、腕を組んで呆れ顔の跡部が立っていた。
芥川「うははは!跡部じゃん!なになに付いてきたのかよー!」
跡部「当たり前だ」
めいこ「わははは見られたー!」
芥川「恥ずかC〜www」
2人は重くなった制服ごとウォーキングしだす。
跡部はツカツカとプールサイドまで歩いてきた。
跡部「お前ら課題はどうした」
芥川「終わったCー!」
めいこ「終わってまーす!」
跡部「ったく...」
ため息をつきながらも監視塔へ登る。
めいこ「動きづらっ!やっぱ脱ご...」
そう言っためいこはプールサイドに上がり、ワイシャツのボタンを外しだす。
芥川「わーわーっ!和栗タンマタンマ!」
めいこ「え?」
とっさに芥川は手で顔を隠すが、スキマからはバッチリ見ている。
跡部「そんなことでイチイチ騒ぐんじゃねーよ、ジロー」
始め跡部は少し驚いたものの、今はニヤニヤして眺めていた。
めいこが脱いだ制服は、ドサリと重い音を立てて落ちた。
芥川「何だよ水着かよぉおおお!」
制服の下から現れたのは紺色のスクール水着だった。
めいこ「当ったり前でしょ!何だよとはなんですか!」
再度プールに入るめいこ。
跡部「そんなこったろーとは思ったぜ。コイツが人前でホイホイ、マッパになるかよ」
めいこ「インサイト使ったの?!」
跡部「そんなワケあるか」
めいこ「ですよね」
めいこはスタート地点までゆるゆるとウォーキングする。
めいこ「もー、さっき先輩に下に着てきてるって言ったじゃないですかぁー」
芥川「言ってないCー」
めいこ「先輩が『制服のままプールに飛び込む』っていう内容しか頭に入ってなかっただけですよ」
芥川「しょんぼりー」
めいこ「かわいいこと言っても脱ぎませんからねっ」
芥川「ちぇーっ」
芥川は口を尖らせながら仰向けで浮いた。
跡部「帰りはどうするつもりだ」
めいこ「えっとー、あたしは元々、誰もいない学校のプールに制服のまま飛び込む!っていう青春野望があったのでバッチリ着替え持ってきてます」
ビシッと親指を立てる。
芥川「あー俺どーしよっかなぁー」