第7章 両手に花

聖くんはたじろぐ。

「何言ってんだよ、そんなこと僕に頼んで、僕が……」

わたしはぷいっと横を向いた。

「今日、この命令に従わないならもう絶対に遊んであげません」

「はあっ！？あんたほんとに頭おかしいんだな！なんで僕がそんなので揺らぐと！」

わたしは真っ直ぐに聖くんを見た。

「どうします？」

「どうします、って」

聖くんは目線を落とした。

「……あれに座れば、いいのかよ」

「えっ！かいちょー、やっぱりせんせーが好きなのっ！？」

「なんでそうなるんだよ！」

聖くんは食い気味に否定し、ボヤいた。

「じ……自分でもよく分からないんだよ、僕あんなことされたの初めてだったから……」

勢いよく顔を上げ、わたしをきっと睨んだ。

「あんたのことが！気になって気になって仕方ないんだよ！」

永夢くんとわたしはぽかんと口を開ける。

「……告白じゃ〜ん……」

永夢くんが泣き声をあげた。

「だから違うって言ってるだろうがッ！」

「そんなことどうでもいいですし、わたしを話のネタにするのはやめてください……」

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