第7章 両手に花
「はあ!?何言ってるんだお前……頭がおかしいんじゃないのか!」
永夢くんは聖くんの罵倒を聞き流し、わたしを熱っぽい目で見つめた。
「ねえせんせー、オレずーっとせんせーが遊んでくれるの待ってるんだよ?かいちょーもいいけど、オレを使って遊んで欲しいな……」
とろんとした目付きに胸がきゅんとし、下腹が締め付けられる。
見ているだけで、胸の奥がじんわりと熱い。
聖くんは侮蔑したように吐き捨てた。
「永夢、お前がそこまで堕ちてたとはな……軽蔑する」
「え〜、オレは前から女の子にはこんな感じじゃん、なんでせんせーの時だけそんなに噛み付くの?」
「もういい!」
聖くんはツカツカと音を鳴らし、荒っぽく立ち去る。
永夢くんはわざとらしく肩を竦めた。
「あは、出てっちゃった」
「良かったんですかね、何か用事があったんじゃ」
わたしが躊躇いを見せた時、
「せん、せえ……」
ぎゅうっと抱きしめられた。
「わ!」
永夢くんの胸元辺りから香水のいい匂いがする。
わたしの肩口にぐいぐいと頭を押し付け、
「なんかオレ今、すっげぇご奉仕したい気分……」
軽い音を立て首筋にキスをする。
ひりつくような刺激がして胸がぞくぞくする。
「せんせーの肌、あっつい……」
永夢くんは息荒く口付けを重ねる。
唇で軽く肌を食んだり、首に鼻先を擦り付ける。
「紗都せんせぇ、せんせー……」
わたしははあっと息を吐き、小さく震えた。
目の前がゾクゾクして、息が苦しい。
腰を離そうとすると、永夢くんはわたしをがっしりと抱き締めた。
「ぅッ……永夢く、ん……」
「好き……せんせー、ずるい、他のやつとばっかり……」
永夢くんは首筋にちゅっちゅっと何度もキスを落とす。
妄執的な愛撫に背筋がゾクッとする。
永夢くんは一心に、わたしの首筋を食み、舐め、キスをする。