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男子校の女王様。

第7章 両手に花


「ははっ、まいっかいこういうご褒美があればなー、オレも学校大好きになるのにな」

「ほんとですか?」

「うそ」

聖くんはニヒルに表情を顰める。

「はっ……まるで犬だな」

永夢くんが顔をあげる。

自分を指さし、へらりと相好を崩した。

「オレえ?うんそー、せんせーはご主人様だから」

「えええッ!?」

わたしは叫んだ。

永夢くんの服を掴みぶんぶんと揺さぶる。

「ななな何を言ってるんですか!ちょっと!違うでしょう!?ねえ!」

「あははすっげー否定されてるー」

聖くんは顔を顰める。

わたしを横目に見た。

「……誰にでも毒牙をかけてるんだな、あんたは……」

「わ、わたしのことですか!」

「あんた以外誰がいるんだよ、……僕以外にも手を出してるなんて呆れ返るな」

永夢くんはきょとんとした顔になり、首を傾げた。

聖くんに目をやる。

不思議そうに尋ねた。

「ん?どしたの聖ちん、なんかいっつもと反応違くない?普段ここまでツンツンしてる?」

「違わない!」

「だって普段の聖ちんはぁせんせーのことどうこう言える立場じゃないし、フツーに鬼畜だもんねー」

「きち、く……?」

わたしが聖くんを見ると、

「は!?」

ぎょっとした顔になる。

永夢くんはうんうんと笑い、話を続ける。

「かいちょーにベタ惚れしてる女の子をどっかからオレらの前に連れてきてー……とか、学園長の息子って知って色目使ってきたせんせーを」

「なっなんなんだ永夢しつこいぞ!お前にだけは女癖を指摘されたくない!お前こそ取っかえ引っ変え……」

永夢くんはそこで聖くんを真っ直ぐに見つめた。

「だって変だもんかいちょー」

「……変って、何がだよ」
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